封印
封印
「ぐっ!はあ、はあ、はあ……」
『心眼』を発動させながらも、衝動を抑え通常時の理性を保ち、長時間の戦闘を繰り広げた事で、誠一の疲労は頂点に達していた。たまらず地に片膝つく。
本来、人間には見えない心を『消滅』、『死滅』させる『歪み』。
それを極稀に見る事が出来る者がいる。
『心眼』の行使者。
行使者は『心眼』の能力と引き換えに様々なものを失う。
それは平凡な人生や。
自分自身の命である。
本来見えない『歪み』を見るのは脳に過大な負担を掛ける。
故に『心眼』を発現し、能力を行使する者は総じて寿命が短い。
緋影の『心眼』は自分よりも強い。故にこれほど早く能力が発現し、かつ目覚めて間もないのに百選練磨の誠一とほぼ五分の攻防が出来たのだろう。
「一刻も早く封印を掛けなければっ!」
緋影が生まれてからの八年、何もしていなかった訳ではない。
完全な封印は出来ないが、その能力を誠一の『心眼』と『封印術』を組み合わせる事で十年ほど沈静化させる事なら可能だ。
左手から突き刺さったナイフを抜き取り、滴り落ちる血で魔法陣を描く。