ぶりとらぶ

バースト

バースト

着替え終え、毛布を羽織ってから数分もしない内に葵はお茶を持ってきていた。

「やっぱり日本人はお茶です。冷えた体を温めるには温かい飲み物を飲むに限ります」

柔らかい笑みを浮かべながら、お茶をテーブルの上、緋影の手前に載せる。

緑茶はただただ湯気をあげている。

葵がその場に座ると、無言で緑茶を飲み始める。

緋影も彼女に倣ってお茶を手に取り、腰を下ろす。湯飲みから熱さが伝わってくる。

何も言わずにお茶を飲む。舌に熱いものをひりひりと感じる。

冷え切っていた体の感覚が、僅かではあるが取り戻せたような気がする。

飲み干して、からになった湯飲みに葵はやはり何も言わずに緑茶を注ぐ。

二人はそうしてしばらく無言でお茶を飲み続けた。

(……何か言った方がいいかな)

ほんの僅かに戻った思考で考えるものの、何を言えばいいのか見当もつかない。

「深山君」

葵の声にびくっ、と体が反応した。

「私、ちょっと買い物に行ってきますんで、お留守番お願いしますね」

彼女はそう言ってにこやかに微笑むと返答を待たぬままアパートを出た。