身元引受人かよ
身元引受人かよ
さっきみたいな状況はよろしくない。大変よろしくない。
彼の顔は見る間に苦渋の色合いが出ている。
「そういう訳で俺が小川を捜すのを手伝うしかない。お前のは『聞き込み』というより『脅迫』に近い気がするしな。もっともお前が小川の捜索を断念してくれるならその必要性はないが」
ムムム、と唸る大竹。
唸る事十数秒。
「……わかったよ。くそ」
苦々しげに大竹は呟いた。
「ええ。ポニーテールで、くりくりした大きな眼で……いえ、眼鏡はしてません。甲陽学園の生徒で……そうですか。何時ごろ見かけましたか?」
自分にしては丁寧な言葉使いだと思う。目の前で返答してくれる男性の証言をメモ帳に書き連ねていく。
「じゃ、すいません。ありがとうございました」
脇にいる大竹がぼそりと呟く。
「結構集まるもんだな。これなら何とかなりそうだ」
口調には不可思議そうな感情が混じっている。多分大竹は、自分が聞き込みをした時にはこれだけの情報が集まって、どうして大竹自身が聞くとろくに情報が集まらないのか、という意味合いのことを思考しているんだろう。
まあ、そんなことはどうでもいい。知らぬが仏だ。
これから大竹の家に戻って情報の照合をして対策を立てなければ。
「だがお前が小川を捜そうとしていたのは意外だったぜ」
「そりゃ俺の台詞だ、大竹。お前は基本的にいい奴だが、こと小川に関しては冷たい。そんなお前がどうして彼女を捜す気になったんだ?」